ミラニスタのレポート

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2010FIFA ワールドカップ南アフリカ大会 グループリーグ結果まとめ(予想との比較)

6月25日、ワールドカップのグループリーグが全て終了。決勝トーナメントに進む16ヵ国が決まった。

そこで、とりあえずグループリーグの結果を振り返ってみる。


○各グループリーグの順位予想と結果

□グループA
   予想    →    結果
1位 メキシコ    1位 ウルグアイ
2位 フランス    2位 メキシコ
3位 ウルグアイ   3位 南アフリカ
4位 南アフリカ   4位 フランス

 いきなり全順位外れ(笑)。ウルグアイは難しいグループを無失点で通過。守備陣は当然として、フォルランがストライカーとしてだけではなく牽引役として大活躍し、ルイス・スアレスカバーニらも含めた攻撃陣も好調。かなり良いところまでいきそう。最後にベスト4まで進んだのは40年前だけど、そこまで狙えるかも。メキシコはバランス良く5大会連続のベスト16進出で安定感あり。だが、2位で通過したことにより決勝トーナメント1回戦はアルゼンチンと。またもベスト16止まりか…。南アフリカはワールドカップ史上初めて開催国が決勝トーナメントに進出できないという歴史を作ってしまったが、実力やグループを考えると勝点4で得失点差によりあと一歩というところまできたのは良くやったというべき。フランスはEURO2008やワールドカップ予選同様醜態をさらしにきただけ。早くブラン体制に移行すべき。


□グループB
   予想     →    結果
1位 アルゼンチン   1位 アルゼンチン
2位 ナイジェリア   2位 韓国
3位 ギリシャ     3位 ギリシャ
4位 韓国       4位 ナイジェリア

 アルゼンチン絶好調。3連勝で余裕の首位通過。グループリーグ最多得点7を記録し、失点も韓国戦のデミチェリスの油断(ブブゼラで味方の声が聞こえなかった!?)での1失点のみ。不安要素は負傷してしまったサムエルと調子の上がらないディエゴ・ミリート2人だけ。マラドーナは記者会見でも試合中でも上機嫌。カメラにとにかくよく写っていた。韓国はアルゼンチンにこそ力の差を見せ付けられたものの、堅守ギリシャに対しては完勝、ナイジェリア相手にも勝点を奪い見事2位で決勝トーナメント進出。8回目の出場にしてついに初の自国開催以外でのグループリーグ突破。ギリシャはワールドカップ初得点、初勝利を記録するも自慢の守備陣は見せられず、攻撃はほとんどまともにできなかった。そして、ナイジェリアは大きな期待外れ。自滅で去った国の1つ。


□グループC
   予想     →    結果
1位 イングランド   1位 アメリカ
2位 アメリカ     2位 イングランド
3位 スロベニア    3位 スロベニア
4位 アルジェリア   4位 アルジェリア

 比較的力の差があって上位2ヵ国は楽勝かと思ったのに、危うく敗退するところだった。アメリカは総得点が上回って1位。ランドン・ドノバンの劇的ゴールでアメリカを沸かせた。彼がいなければとっくに敗退していたかもしれない。イングランドは2位通過するも3試合でわずか2得点。エースのルーニーは完全に沈黙。ファーディナンドがいないとかバリーの復帰が遅れたとかいうレベルじゃなく、優勝候補なんてレベルでも当然ない。全体的にコンディションが上がらず、44年ぶりの優勝は遥か彼方…。スロベニアは良い意味でサプライズ。強豪国を敗退寸前まで追い詰めた。大会出場国最少人口200万人にも満たない小国はインパクトを残して去ることに。アルジェリアは無得点で敗退。ジダンの応援も実らず最下位。それでも守りの強さは見せた。


□グループD
   予想      →    結果
1位 ドイツ       1位 ドイツ
2位 セルビア      2位 ガーナ
3位 ガーナ       3位 オーストラリア
4位 オーストラリア   4位 セルビア

 最下位のセルビアも1勝で勝点3を獲得し、首位との勝点差が最も少なかった予想通り混戦となったグループ。ドイツは大会出場国の中で2番目に若いチーム。今までのドイツとはどこか違う雰囲気を放ち、負傷者を多く出しながらもさすがの首位通過。勝負強さは健在か。若いメンバーの中でも最初にその才能を見せ付けているのはエジル。21歳のテクニシャンがドイツに新たな風を吹かせている。ただ、替えのきかないシュバインシュタイガーがケガを負ったのはチームとして致命的。復帰できなければ一気に崩れてしまうことも…。ガーナはアフリカ勢唯一の決勝トーナメント進出国となった。そしてドイツよりも若いのがそのガーナ。若さゆえの力なのか、大舞台で1試合ごとに成長を遂げるアフリカ希望の星はアフリカ初のベスト4まで辿り着けるか大注目。オーストラリアは2戦連続で退場者を出しながらも最後までグループリーグ突破の可能性を持ち続けた。ところが初戦のドイツ相手の大敗が響き2大会連続の決勝トーナメント進出はならず。セルビアは個人的に台風の目として期待していた国だったが、信じられない“ハンド・トラブル”で最下位。自滅最優秀賞を送らなければならない。クラシッチ、カチャル、もっと見たかったのに…。ガッカリ…。


□グループE
  予想     →    結果
1位 オランダ    1位 オランダ
2位 デンマーク   2位 日本
3位 カメルーン   3位 デンマーク
4位 日本      4位 カメルーン

 引き分けの試合がなかった唯一のグループ。それが最も世界を沸かせたグループだったかもしれない。まさか日本が通過するとは思っていませんでした。ただ、このグループは日本以外出来は最悪だった。オランダは3連勝で失点も1しかないが、ロッベンがいないにしても攻撃陣はおとなし過ぎた。ここから上げていかないとトーナメントであっ気なくコロッと負けてしまうだろう。日本はグループリーグで最も変わったチームとして挙げられる。日本人にとっては最高の期待の裏切り方だろう。大会前の親善試合では不安を与えるばかりだったが、挑戦者として恐れずに勇敢に立ち向かった結果だろう。自国開催以外では初勝利、そして初の決勝トーナメント進出。韓国ともに突破を決めたことで(日韓共催以外での)アジア勢初の2ヵ国決勝トーナメント進出という歴史も刻んだ。デンマークはカメルーンとともに日本を甘く見ていた油断で敗退。ロンメダールが良いプレーを見せたがシェアーは日本戦に出場できず、ベントナーも気持ちが感じられずヨルゲンセンらとともに国を裏切ってしまうプレーに終始。カメルーンも期待を大きく裏切ったチームの1つ。まさかの3連敗で良いところ全くなし。最速でグループリーグ敗退を決めてしまった。戦う気持ちも、戦い方もなかった。


□グループF
   予想       →    結果
1位 イタリア       1位 パラグアイ
2位 パラグアイ      2位 スロバキア
3位 スロバキア      3位 ニュージーランド
4位 ニュージーランド   4位 イタリア

 組み合わせに恵まれたと思われた前大会王者が敗退した番狂わせグループ。このグループも比較的実力差があると見ていたが…。このグループも予想全外し。それもこれもイタリアのせい。だけど、これは必然だったかもしれない。イタリア国内ではリッピ監督の人選に疑いの目を向ける者が数多くを占めていた。ブッフォンをはじめ、ファビオ・カンナバーロキエッリーニマルキージオカモラネージヤクインタ、彼らはユベントスの選手。そのユベントスはワールドカップ前の大事なシーズン(セリエA)で最悪な結果を残した。そのメンバーを中心に構成されたチームが良いはずがない。しかも、良くないまま3試合戦い続けた。変化を恐れた結果だ。1勝もできず、74年大会以来36年ぶりのグループリーグ敗退。パラグアイは隠れた好チーム。圧倒的な力は持っていないが、バランス良くチーム全体で勝利を目指すチーム。日本との対戦は非常に楽しみ。どちらが勝っても初のベスト8になる。スロバキアは若き司令塔ハムシクを要し、予想通り不気味さを発揮。でも、まだ本領発揮はしていない!?ニュージーランドは3分である意味快挙。2回目の出場で初めて勝点をゲット。負けずにして大会を去ることに。


□グループG
   予想       →    結果
1位 ブラジル       1位 ブラジル
2位 ポルトガル      2位 ポルトガル
3位 コートジボワール   3位 コートジボワール
4位 北朝鮮        4位 北朝鮮

 やっと全順位当たった(笑)。死のグループは戦前通り激戦…にはならず、すんなり上位2ヵ国抜けてしまいました。ブラジルは2連勝でコートジボワールも寄せ付けず余裕で首位通過。ワールドカップ慣れしていることを証明。ポルトガルも北朝鮮戦で今大会最多得点ゲームを記録+ウルグアイにつぐ無失点での2位通過。いまならヨーロッパ最強のスペインも倒せちゃう!?アフリカ最強のコートジボワールは今大会敗退組の中で1番敗退が決まって残念なチーム。このグループに入ってしまったことを不運と思うしかない。初の決勝トーナメント進出はおあずけ。北朝鮮は出場国の中で最弱。FIFAランクも最低の106位。そんなチームがこのグループに入るとこうなるのは必然。最多失点の12は断トツ。2桁失点した唯一のチーム。でも、ブラジル戦は頑張った。


□グループH
   予想       →    結果
1位 スペイン     1位 スペイン
2位 チリ       2位 チリ
3位 スイス      3位 スイス
4位 ホンジュラス   4位 ホンジュラス

 お、連続で全順位当たり。スペインは首位通過だけど、危うく消えてしまうところだった。今大会初戦で負けたチームの中で唯一のグループ突破国。大会前までの好調ぶりが嘘のように大苦戦。魅力的なプレーはどこへやら。チリは日本と並んで世界を驚かせているだろう。これは期待通り。セルビアには裏切られてしまったので、チリ頑張れ!でもカード・トラブルで決勝トーナメント1回戦に出場できない選手が何人も…。スイスはスペイン撃破で今大会ここまでで最大のジャイアントキリング。だが、得点力がなさ過ぎてあえなく敗退。ホンジュラスはアメリカ大陸勢(南米&北中米)で唯一の敗退国となってしまった。しかもアルジェリアに続いての無得点。



○グループリーグまとめ

コパ・アメリカのような大会

 南米勢はウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルが無敗で首位通過。チリが1敗するも2位通過で全5ヵ国が決勝トーナメント進出。これは史上初の快挙。北中米勢もホンジュラスが敗退しただけでメキシコ、アメリカがグループリーグ突破。実に、ベスト16の中に7ヵ国がアメリカ勢が占め、まるでコパ・アメリカかと思わせるような大会に今のところなっている。


・大苦戦のヨーロッパ勢

 南米勢とは対照的に欧州勢は見るも無残な敗退劇の連続。前回大会のファイナリストであるフランスとイタリアがともにグループリーグ敗退。しかも1勝もできず、しかも最下位で、しかも1点ずつしか取れずに。イタリアは王者の面影なし。ヨーロッパ最多優勝記録を誇るとは思えない。イタリアはどんなにダメでも、ドイツと並んで最後はなんだかんだで上に上がってきていたものだが、今大会ではそれは許されなかった。そのファイナリストの他に、ギリシャ、スロベニアセルビア、デンマーク、スイスが敗退。出場13ヵ国中7ヵ国が早くも去った。つまり半分以上すでにいない。決勝トーナメントに進出したのはわずか6ヵ国で、最少記録を更新。これまでは日韓大会の9ヵ国が最低だっただけに、不名誉な記録を大きく塗り替えてしまった。ちなみに今大会無敗で上がったのはイングランドとオランダだが、イングランドはギリギリだった。オランダ以外は全く余裕がなかった。


・開催地域アフリカは期待外れ

 開催国の南アフリカを含むアフリカ勢6ヵ国のうち決勝トーナメントに進出するのはガーナのみ。オセアニアのニュージーランドを除く5地域(南米、ヨーロッパ、アジア、北中米、アフリカ)別に成績を見ても断トツで最悪。18試合あってわずか3勝。負けの数は10と圧倒。カメルーンなんて北朝鮮と並んで3 連敗を記録。アルジェリアは1点も取れず。アフリカの期待を一身に背負うことになったガーナはどこまでやってくれるのか。


・日韓で初の快挙

 アジア勢は日本と韓国が決勝トーナメントに進出。ホームの日韓共催2002年大会以来2大会ぶり、アウェーの地では初めて2ヵ国が上がることに。日本は大会前には1勝できないだろうと言われていたにもかかわらず、2勝で堂々の進出。デンマーク戦の遠藤の直接FKによるゴールは感動ものだった。



○決勝トーナメント展望

 日本はパラグアイと対戦。パラグアイは前線の選手もよく守備をして、攻守の切り替えが早く、カウンターが狙えると思えば中盤の選手の飛び出しも果敢。早い時間に油断してペースを握られるとあっという間に点差をつけられてしまう危険性もあり。序盤の集中力が鍵。

 韓国も日本と同様絶好調南米のウルグアイと対戦。下手に攻めると一気にカウンターでやられる可能性大。チーム全体のポジショニングと切り替えの早さが重要。

 ともに格上相手だが、勝機はあると思う。世界の壁を1つ破るチャンス。

 その他、南米勢はアルゼンチンはメキシコと対戦だが問題なくいきそう。ブラジルとチリの南米対決もあるので全ては無理だが、4つベスト8に残る可能性もあり。アメリカはアフリカ勢唯一のガーナと。意外な組織vs組織の対戦が見られるかも。そして大問題のヨーロッパ勢は残った6ヵ国が全て潰し合いの対戦になることに。つまり絶対にベスト8に3つしか残らない。前回大会はベスト4の4つ全てヨーロッパ勢だったのに…。