ミラニスタのレポート

ミランの試合内容・結果、移籍情報等を綴っています

カカ、レアルマドリードへ移籍

契約は6年。移籍金額は6500万ユーロ(約90億円)と言われている。これはジダンユベントスからレアルマドリードへ移籍したときの7300万ユーロに次ぐ史上2番目の高額。

衝撃的な移籍。カカ本人は移籍が正式に完了した後も希望はミラン残留だったと発言。それでも移籍したのはミランが財政難の窮地に立たされており、そのためにカカやミランにとって一番良い選択をしたとのこと。冬の移籍市場でマンチェスターCへの史上最高額での移籍の可能性が高まっていただけに今回の移籍はかなりの高確率で予想されていた。それでもマルディーニが引退したミランでキャプテンにまでなりたいと忠誠を誓っていたカカの放出はショックでならない。

フロントの意向で放出されたカカは間違いなく中心プレイヤーだった。今後はそれがさらに期待されていた。カカを嫌いな人はいない。一番好きな選手であるといったいどれだけの人が言うだろうか。サン・シーロにカカの勇姿を求めに足を運ぶ人はどれだけいただろうか。確かにクラブの財政難は大きな問題ではあるし今の時期では破格のオファー額。カカがミラン以外ならレアルマドリードでのプレーしか考えられないと言うように少なからず意思の反映はあったかもしれない。ただ、カカの移籍はただの選手の移籍ではない。今後クラブ自体、サポーター、ミランの選手らに多大な影響を及ぼすことは必至。それがフロントが考える範囲を越えてしまわないだろうか。

マルディーニの引退、アンチェロッティ監督の退団に次ぐミランの大きな出来事となったカカの移籍。カカ放出が間違いではなかったと言えるようにミランはチームを大きく変えていく必要がある。そういうときがついに来たのだ。決まってしまったことは仕方がない。ミランだけでなくカルチョ全体の、サッカー界全体のために生まれ変わってほしい。

アンチェロッティ監督がミランに就任してからミランがチームとして強かったのは04/05シーズンまで。02/03はCL制覇、03/04はスクデット獲得、04/05はCL準優勝。その間FWはシェフチェンコインザーギクレスポ。MFはルイ・コスタ、カカ、セードルフガットゥーゾピルロ。DFはマルディーニ、ネスタ、スタム、カフーカラーゼ。GKはジーダ。彼らの活躍はチーム全体のバランスを良く保っていた。ところがその後、シェフチェンコの移籍やピルロのパフォーマンス低下、最終ラインは高齢化の一途を辿って今シーズンまでそれを牽引。獲得した選手たちはピークの過ぎたビッグネームばかり。ジラルディーノはフィットせず、ロナウジーニョ、シェフチェンコ、ファバッリ、ベッカムザンブロッタ、オッド。ベッカムこそ驚異的な適応力を見せたがピークを過ぎていることは変わりない。成功例はフラミニ、パトぐらい。06/07でもCLを制覇しているがそれはバロンドールを獲得したカカ個人の力だった。カカを高額で放出したものの、それは財政難からだと言われている。つまりこれでまた新たなビッグネームの獲得は望めないし誰を獲得したところでミラニスタは納得しないだろう。それほどの選手を失ったのだ。そしてビッグネームを獲得することがチームのためになることではないと十二分に思い知ったはずだ。もうユニフォームの売れるような選手ではなく、ミランというチームのためになる選手を獲得、育成していくべきだ。

FWではパロスキ、ジェコ、アデバヨールルイス・スアレス、ケイリソン、ネイマール。MFではエルナネス、エッシェン、セスク。DFはシェアー、サンタクローチェ、クリシー、タスキ。GKはアキンフェエフ、マルケッティ。10代後半から20代前半の選手を獲得してほしい。ディ・ジェンナーロ、アバーテの復帰組、そしてダルミアン、カルダシオ、ビウデスらもしっかり育てていってほしい。メクセス、マクスウェルとかは獲得ラインギリギリの年齢だと思う。ドログバトレゼゲ、トーニ、ギャラスブッフォンとかは特別な獲得条件(トレード等)以外では反対だ。今のチームではスクデットやCLなんてとても争えない。バルセロナマンチェスターU、チェルシーとかにコテンパンにされるのが目に見えている。だから数年かけて我慢して耐えてチームをしっかり作っていってほしい。ネスタやボリエッロの復帰とか言ってその場の凌ぎのチームでは勝てない。レオナルド新監督がどういう戦術を考えてチームの構想を練っているか分からないが中途半端な失敗はしないでほしい。また世界中の人を魅了するような素晴らしいチームにしていってほしい。